教員の長時間労働と担い手不足 悪循環をどう打開 #編集部コラムvol.29
教育話題

片山 健志
先生コネクト前編集長

教員の長時間労働や担い手不足が問題となるなか、永岡桂子文部科学相は5月、「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための総合的な方策を中央教育審議会(中教審)に諮問した。▽学校における働き方改革▽教師の処遇改善▽学校の指導・運営体制の充実、の3項目について、本格的な議論が始まった。
公立学校教員は「教育職員給与特別措置法」(給特法)により、残業代が支給されない代わりに、給料月額の4%が「教職調整額」として上乗せされる。支給比率を含めてこのしくみをどうするのか、残業代支給の是非などとともに議論される見通しだ。
教員の働き方をめぐっては、子どもに向き合う以外にもさまざまな業務に追われて疲弊し、それが新たななり手不足を引き起こす――という悪循環が生じている。教育現場はもはや見過ごせないほどの危機に陥ったとみる人が多いのか、かつてないほどの高い関心がこの問題に寄せられていると感じる。現状を打開し、教員を志す人が増えるようなビジョンを中教審は描けるのか、耳を傾けていきたい。
小・中・高の校長会長が続けて発言
諮問当日の会合をオンラインで傍聴していたら、たまたまだと思うが、小学校、中学校、高校の各校長会会長(当時)が続けて発言する場面があった。現場を知る人たちの発信だけに印象に残った。発言順に紹介する。

片山 健志
1999年、朝日新聞入社。北海道支社報道部(現・北海道報道センター)、福島総局、東京社会部などで勤務。社会部では文部科学省など主に教育部門を担当した。「朝日みらい教育フォーラム2017」でコーディネーター。21年4月から25年3月まで寺子屋朝日・先生コネクト編集長。
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