学校をシステムから変えよう 東京学芸大など「未来の学校」プロジェクト
2022.07.13

片山 健志
先生コネクト前編集長

ICT(情報通信技術)を活用し、学ぶ内容だけでなく、学校運営や教室のあり方など、学校をシステムごと社会に開かれたものへ変えていくモデルを作ろうというプロジェクトが佳境を迎えています。東京学芸大学の研究グループが、各地の教育委員会や教員、40社以上の企業とともに取り組む「未来の学校みんなで創ろう。PROJECT」で、「10年後の学校を3年後には実装する」と始めたのが2020年8月でした。今年度中に成果をまとめて文部科学省に提言し、23年度から始まる学習指導要領の改訂に向けた議論に生かしてもらう考えです。
プロジェクトは東京学芸大教育インキュベーションセンター長の金子嘉宏教授らのグループが中心となって進める。すべての人とモノがつながるSociety5.0を見据え、GIGAスクール構想で導入された1人1台端末をはじめとするICTを活用して実現を目指す。東京学芸大付属竹早幼稚園舎や小・中学校のほか、チームを構成する岩手県山田町、岡山県津山市などの公立小中学校も実践の舞台となっている。
9チーム稼働、テーマは幅広く
具体的には、プロジェクトごとに9個のチームに分かれて活動している。教室のDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル化による変革)モデルを考える「GIGAスクール時代の学習環境を考えよう」、キャリアコンサルによるキャリア教育「自分に目をむけ興味をつなぐ、学びの場を」など比較的イメージしやすいものだけでなく、学びにゲームの要素を採り入れる「ゲーミフィケーションで学びにわくわくを。」といった挑戦的なものまで幅広い。各チームに研究者、教員、教育委員会、企業が名を連ねている。

片山 健志
1999年、朝日新聞入社。北海道支社報道部(現・北海道報道センター)、福島総局、東京社会部などで勤務。社会部では文部科学省など主に教育部門を担当した。「朝日みらい教育フォーラム2017」でコーディネーター。21年4月から25年3月まで寺子屋朝日・先生コネクト編集長。
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