スマホやSNS 危険を知りポジティブに使う ITジャーナリスト高橋暁子さん
教育話題

宮崎 勇作
先生コネクト編集部メンバー

今や小学校高学年の4割はスマートフォンを所有しています。便利さの一方で、SNSから闇バイトに応募した中学生や高校生が逮捕される事件が起きるなど、危険と隣り合わせの一面もあります。子どもたちはスマホやSNSとどのようにつきあい、大人はどう対応したらいいでしょうか。ITジャーナリストの高橋暁子さんに聞きました。
東京学芸大卒業後、東京都内で小学校教諭、Web編集者などを経て独立。SNSや情報リテラシー教育が専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育事情に詳しい。著書に「ソーシャルメディア中毒」(幻冬舎)、「できるゼロからはじめるLINE超入門 iPhone&Android対応」(インプレス)などがある。
小学生女子にTikTok人気 中学部活の連絡はLINE
小学生のスマートフォンの所有率はそこまで高くないのですが、今はGIGAスクール構想で端末を貸与されています。さらに親のお古のスマホとか、家族で共用のタブレットなどがあるので、インターネットやSNSにアクセス可能な環境が整っています。
小学校5、6年ぐらいの女子だと、4、5割以上はLINEを始めているのではないでしょうか。13歳以上の年齢制限を設けているTikTokも、いろいろな調査で、小学生の女子に人気が高いという実態があります。
男子はゲームに行くことが多く、オンラインでフレンドを作る感じです。小学校に講演に行ったときには、「オンラインゲームで知らない人とプレイしている人や、ネットだけの友達がいる人はいますか?」と質問をしてみると、結構手が上がります。
中学生になると、SNSでは、LINEも利用率が高く、部活の連絡用にLINEが必須です。練習日や練習場所の変更など、知らないと困る連絡が、部活のLINEグループを通じて届きます。
「勉強垢」活用しモチベーション維持
高校生になってくると、SNSネイティブらしく、大学受験でうまくSNSを使っているケースが増えてきます。インスタグラムやXなどのSNSに勉強専用のアカウント、いわゆる「勉強垢(アカ)」を作成します。そして私は何大学に行きたい、偏差値をいくつ上げたい、テストの点数を何点上げたい、今日は何時間勉強した、といったものを全部公開します。フォロワーとお互いに、「今日は目標通り何時間勉強を頑張った」、「すごいね、私もやったよ」みたいな、励まし合える関係を作るのです。
勉強の敵にもなりえるスマホをうまく活用して、背景に時計を入れて、勉強している手元をタイムラプスで撮影した動画を勉強アカに投稿する。YouTubeで「Study with Me」と検索すると、……

宮崎 勇作
2002年、朝日新聞入社。広島総局、大阪社会部、GLOBE編集部などで勤務。メディアラボを経てビジネス開発部ビジネスディレクターとして新規事業の開発を担当。