3×3チームをマネジメントしてみた 静岡市立高校「自由すぎる研究」に金賞
教育話題

片山 健志
先生コネクト前編集長

中学まで楽しんだバスケットボールを高校で辞めてしまう人が多い現状を変えたい――。女子バスケットボール部員だった静岡市立高校3年の長橋穂乃花さん(18)と伏見優那さん(18)は2年生の時、そんな思いで女子中学生の3×3(3人制バスケ)チームをゼロから立ち上げ、1年間マネジメントしました。大人も巻き込んだその成果は、中高生対象の探究成果のコンテスト「自由すぎる研究EXPO2024」で、金賞(朝日新聞 寺子屋朝日賞)を受賞しました。どんな活動だったのでしょうか。
「自由すぎる研究EXPO」は、中学・高校の探究学習のサポートを行う株式会社トモノカイが主催。地域課題、新たな発明、部活動などテーマは何でもOKで、個人でもグループでも参加できる自由度の高さが特長だ。2024年度は3857件の応募があった。
中学部活動の公私立差に問題意識
長橋さんは私立中生時代、週6日、2~6時間の部活の練習があり、試合も毎週のように組まれていた。それに対して公立中に通う3歳下の妹は週3日で、練習時間も1時間ほど。冬場は30分くらいの時期もあった。部活などでバスケをする高校生は中学生より少ないという現状について、公立中の部活の時間の少なさが影響しているのでは、と考えた。
公立中出身の伏見さんも高校に入った時、私立でたくさん練習した人との力の差を感じ、バスケを続けるか迷ったという。「高校のレベルについていけるか不安でした」。そんな2人が、グループで取り組む2年生の探究活動でタッグを組んだ。
公立中の部活に物足りなさを感じる中学生がもっとバスケに触れられる機会をつくったら、高校でも続けてくれるのではないか。そう考え、女子中学生チームをつくることにした。1年生の終わりごろにはメンバー集めに着手し、4月には活動を始めた。女子バスケ部で1学年上の先輩、澤渡歩さんのサポートも受けた。
5人制ではなく3×3にしたのは、……

片山 健志
1999年、朝日新聞入社。北海道支社報道部(現・北海道報道センター)、福島総局、東京社会部などで勤務。社会部では文部科学省など主に教育部門を担当した。「朝日みらい教育フォーラム2017」でコーディネーター。21年4月から25年3月まで寺子屋朝日・先生コネクト編集長。