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「対話」「未来創造」「社会課題」重視し変革に挑む #海を渡る先生 山藤旅聞さん

教育話題

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2024.05.08

黒澤真紀

黒澤真紀

フリーライター

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独立行政法人国際協力機構(JICA)の教師海外研修を経験した先生たちのその後を紹介する連載「#海を渡る先生」第2回は、新渡戸文化中学校・高等学校(東京都中野区)副校長の山藤旅聞(りょぶん)さん(44)です。公立高校に勤めていた12年前、研修先のブータンで教育観を根本から揺さぶられ、学びを社会にどう生かすかを考えるようになったそうです。転職後、一日中探究活動をする週1回の「クロスカリキュラム」を企画・実行するなど「社会課題」「対話」を重視して数々の変革に挑んでいます。

2024年3月17日、新渡戸文化学園には、子どもたちのほか企業や地域住民、NPOなど多くの人の姿があった。メイン会場の新渡戸ハピネスホールは、環境問題や社会課題への取り組みをまとめた展示で彩られ、プレゼンテーション、音楽、ダンスといった生徒たちのパフォーマンスが場を盛り上げた。「超・文化祭」と呼ばれる同学園ならではのイベントだった。

他校生や大人も参加する「超・文化祭」

「みんなで未来をつくるために集まるソーシャルアクションフェスです」と話す山藤さんは、同イベント担当でもある。「いろんな学校の生徒や大人がみんなでつくる文化祭があったら素敵では」という他の教員の発案がきっかけとなり、一般社団法人「Think the Earth」と協働して2019年度に始まった。「知って」「繋がって」「行動する」がキーワードだ。

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「超・文化祭」の会場には200人以上が訪れ、予定していた椅子が足りなくなった=新渡戸文化学園

その柱の一つに「ドネーション(寄付)プレゼン」がある。寄付を希望する生徒の団体が活動内容を紹介し、入場者が応援したい団体に投票。投票数に応じて入場料(子ども 200円・学生 500円・大人 1000円)が各団体に割り振られ、活動資金となる。「年齢や性別、学校などの垣根を超えて、参加した誰もが未来の作り手になれるしくみです」(山藤さん)。今回は他校を含む12団体が参加した。

「マイクロプラスチックを利用したアクセサリーをたくさんつくりたい」

「オンライン自習室を開き、多くの人に利用してもらいたいので、有料のzoomアカウントを発行したい」

「100%のオーガニックコットンでできたやさしい制服を広めたい。コットンの原産地であるインドを視察したい」

生徒の声は希望と使命感にあふれ、未来を良くしたいという強い決意がにじむ。聴く側も真剣だ。メモを取りながら「問題意識がすごいね」と隣の人と意見を交わしたり、4年以上活動する団体のプレゼンに「そんなにも長く…」と感嘆の声が上がったりした。

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教師海外研修で訪れたブータンで子どもたちに囲まれる山藤旅聞さん=2012年、山藤さん提供

山藤さんが「未来をつくるための教育がしたい」と考えるようになったのは、公立高校に勤めていた2012年、JICA(国際協力機構)の教師海外研修でブータンを訪れたのがきっかけだった。それまでの教育観を根本から変えるほどの衝撃を受けた。

黒澤真紀

黒澤真紀

都内学習塾勤務を経て2011年からフリーライター。教育を中心に、医療、ライフスタイルなどの分野を執筆。学力格差問題に関心があり、お茶の水女子大学大学院修士課程へ。現在もアカデミック・アシスタントとして勤務。高校生と中学生の息子がいる。

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