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生成AIとの向き合い方を考える授業 編集部コラムvol.53

教育話題

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2023.12.09

片山 健志

片山 健志

先生コネクト前編集長

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小学校で生成AIとの向き合い方を考える特別授業をします、と埼玉県幸手市教育委員会でICT教育専門員を務める大西久雄さんから案内をいただいた。同県越谷市立中学校長だった十数年前、学校としていち早くTwitter(現在のX)で情報発信を始めたICT活用教育の先駆者のひとりで、5月にはデジタル・シチズンシップ教育をテーマとする寺子屋朝日のウェビナーで講師を務めてもらった人でもある。どんな授業になるのか興味が膨らみ、幸手市立さかえ小学校に足を運んだ。

特別授業が行われたのは、5年生の「総合的な学習の時間」。大西さんは、大型モニターに二つの絵画を並べて表示した。一つはゴッホの作品、もう一つはゴッホの画風をAIが学習して描いたゴッホ風の偽物だ。「どっちが本物かわかりますか」。一見どちらも本物のようで、本物の作品を覚えていないと見分けられそうにない。次は、チーターの顔をアップにした写真と見られる画像が二つ。本物かどうかを判別する手立ては、ゴッホ以上に少ないように思える。子どもたちからも「え、どっち?」と苦戦しているようだった。

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生成AIとの向き合い方を考えた大西久雄さん(左上)の特別授業=埼玉県幸手市立さかえ小学校

今度は、生成AIのChatGPTが書いた童話「ごんぎつね」の感想文をモニターに示した。目で追っていた子どもたちから「何かちょっとおかしい」と声が出始める。「かわいい尻尾を持つ不思議なきつね」など物語に出てこないような内容が書かれていたからだ。「読書感想文書くのが面倒だからってAIに書かせたら、こんなのが出てきちゃう。先生はすぐわかるよ」。大西さんはそう語りかけた。

桃太郎の家来の評価めぐりAIと対決

メインは、「桃太郎」を題材にした「家来評価対決」。鬼退治のおともをした家来の犬、猿、キジのうち、どの動物が一番活躍したか、まず子どもたち自身が考えて評価する。その上でAIによる評価と比べ、どちらが優れているか勝負する、というものだ。

片山 健志

片山 健志

1999年、朝日新聞入社。北海道支社報道部(現・北海道報道センター)、福島総局、東京社会部などで勤務。社会部では文部科学省など主に教育部門を担当した。「朝日みらい教育フォーラム2017」でコーディネーター。21年4月から25年3月まで寺子屋朝日・先生コネクト編集長。

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