働き方改革の責任はどこにあるのか 若手教員が悩み考えていること
教育話題
2023.02.07

社会応援ネットワーク

働き始めて4年の私が感じていること
大学院を修了後、教員として働き始めて4年目になる。そして、担任業務の忙しさや新教育課程で大きく変わった授業の準備もあってか、4月の時間外勤務は100時間近くもあった。昨年度までは、どんなに多くても時間外勤務は60時間程度であったし、定期考査で部活動が休みになる期間や夏休みなどの長期休業日、年度末の時期などに年休もある程度は消化することができていた。ある程度余裕をもって勤務をしていたつもりであったが、年度当初の忙しい時期を考慮したとしても、100時間近い時間外勤務は非常にこたえた。
今までは勤務を終えれば、趣味を楽しむ時間があったのだが、4月はそのような余裕はなかった。家に帰れば疲れてすぐに寝て、そしてまた起きて学校へ行く、そういう毎日だった。体力的にはまだまだ余裕があったが、趣味や自分の時間を犠牲にして、何とかなっていたのである。実際、このような生活を何年も続けている先生方は非常に多いと思う。特にご家庭がある先生は、より切羽詰まった毎日を過ごしているのではないだろうか。
このような時間外勤務は、「自発的に」行っているものなのだろうか。日々の授業をより良くするために、学校運営に携われるように、との思いでとりくんできた日常の業務ではあるが、そのどれもが「そうしなければならない」からやっているのか、あるいは「自分がやりたいから」やっているのかの判断がつかなくなってきた。自発的でも、強制的でもない状態――半自発・半強制――に陥ってしまっているのだ。

社会応援ネットワーク
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立し、文部科学省等の委託で被災地向けの「心のケア」の出張授業を開始。以降、全国の小学校に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの声に徹底して応え、心のケア、防災、共生社会等の出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では「こころの健康サポート部」サイトを立ち上げた。書籍に『図解でわかる14歳からのストレスと心のケア』『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』(太田出版)など。