二兎(にと)を追う働き方改革を進める意味 妹尾昌俊さん
教育話題

社会応援ネットワーク

皆さんの学校では、働き方改革は進んでいますか? 必ずしも教員でなくてもできることは地域の人や外部の専門家に任せたり、校務や学習にICT(情報通信技術)を活用したりして教員の負担を減らし、ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが求められていますが、教育研究家の妹尾昌俊さんは、教育の質を高めることも同時にねらうべきだと訴えます。どういうことなのでしょうか。妹尾さんからのメッセージをどうぞご覧ください。
妹尾 昌俊(せのお・まさとし)
教育研究家、一般社団法人ライフ&ワーク代表理事。徳島県出身。野村総合研究所を経て2016年より独立。全国各地の教育現場を訪れて講演、研修、コンサルティングなどを手がけている。政府の委員(中教審、部活動ガイドライン検討会議など)や教育委員会のアドバイザーも務めた。主な著書に「先生を、死なせない。」、「学校をおもしろくする思考法」、「教師崩壊」、「教師と学校の失敗学」など多数。5人の子育て中。
教育研究家、一般社団法人ライフ&ワーク代表理事。徳島県出身。野村総合研究所を経て2016年より独立。全国各地の教育現場を訪れて講演、研修、コンサルティングなどを手がけている。政府の委員(中教審、部活動ガイドライン検討会議など)や教育委員会のアドバイザーも務めた。主な著書に「先生を、死なせない。」、「学校をおもしろくする思考法」、「教師崩壊」、「教師と学校の失敗学」など多数。5人の子育て中。
日本の教育は世界一?
みなさん、日本の教育が「世界一」ないしトップクラスなものがいくつかあるのですが、何か思い当たりますか?
一つは、分かった方も多いと思いますが、先生たちの忙しさです。これはトップというよりも、ワーストであるわけですが。OECDのTALISなどの調査によると、小学校も中学校も、他の先進国等と比べてダントツで長時間勤務です。
もう一つは、実は「学力」です。これもOECD がPISA というテストをやっていますが、2015 年も2018 年も、数学と科学では、日本はOECD 諸国の中トップでした(正確に言うと、2位のものもありますが、1位と大差なし)。

社会応援ネットワーク
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立し、文部科学省等の委託で被災地向けの「心のケア」の出張授業を開始。以降、全国の小学校に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの声に徹底して応え、心のケア、防災、共生社会等の出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では「こころの健康サポート部」サイトを立ち上げた。書籍に『図解でわかる14歳からのストレスと心のケア』『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』(太田出版)など。
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