文化祭の映画制作にBYOD 意見交換も動画編集も 千葉県立検見川高校
2021.11.18

片山 健志
先生コネクト前編集長

検見川高校の文化祭「潮風祭」は7月の夏休み前に開かれた。これまで3年生はクラスごとに演劇を披露するのが恒例だったが、新型コロナの感染拡大のため、昨年度は文化祭そのものが開かれなかった。今年度は劇から映画に変更され、それぞれ20分間の作品を作ることになった。
「金八先生」の設定借り映画に
同校では「GIGAスクール構想」のスタートに先立つ2020年4月、全教室などに独自の校内回線が整備されるとともに、生徒が自分のスマートフォンを持ち込んで自習や校内での連絡に利用する取り組みも同時期に始まっていた。
3年B組の映画作品は、文化祭準備中の学校が舞台だ。3人の不良生徒は暴れて装飾を壊しただけでなく、ダンスを披露するはずだった生徒にけがをさせ、当日の発表が難しい状況に陥る。そこへ「金八先生」が現れて不良生徒を指導し、改心したその生徒はけがをした生徒に代わってダンスを披露する――。シリーズ化された人気テレビ番組の設定を借りた、オリジナルの物語だった。
どんな映画を作るか、4人の文化祭委員が中心となって考え始めたのは1学期に入ってまもなくのこと。ただ、コロナ禍が続き、放課後に集まるわけにはいかない。コミュニケーションツールの「Microsoft Teams」(マイクロソフト チームズ)を活用し、スマホを通じてやりとりすることにした。放課後、自宅などで過ごす友だちどうしがつながり、何をやりたいか話し合った。
ITツールで議論し意見集約
五つくらいに絞った候補からみんなで優先順位を付けるのにも、同社のアンケート作成ソフト「フォーム」を使った。ジャンルなどが他のクラスと重ならないよう生徒会で調整し、5月の初めには「金八先生」に決まった。

片山 健志
1999年、朝日新聞入社。北海道支社報道部(現・北海道報道センター)、福島総局、東京社会部などで勤務。社会部では文部科学省など主に教育部門を担当した。「朝日みらい教育フォーラム2017」でコーディネーター。21年4月から25年3月まで寺子屋朝日・先生コネクト編集長。